よく健康番組で「○○は病気の怖いサイン!」ってタイトルで取り上げていますね。
私も時間のあるときは見ています(笑)
TVでは特定の珍しい疾病が取り上げられることが多いですが、私達が普段感じている「痛い・だるい・疲れやすい・気持ち悪い・肩がこる・動きが悪い・感じない・痺れるなど」が病気へと向かう最初のサインなのです。
この異常な感覚のことを「感覚異常」と言います。
感覚異常
「感覚」 とは「何かを感じること」センサーとしての働きです。
身体は様々なシステムで出来ており、その中の神経のシステムは、体の表面や関節・筋肉、各内蔵や血管を常にチェックし情報を脳は吸い上げています。
なので「体内外の環境の変化を感知すること」とまとめられます。
「知覚」とは上がってきた「感覚からの情報」を脳が認識することです。その全ての感覚情報の中から問題のある個所の感覚情報は鋭敏化して強く激しく警報を脳に対して発します。その強い感覚異常を認知した脳は、次に総合的に判断して指令を出します。
建物で例えれば、ガスや火災の探知機と働きが同じで、問題の無い時は平坦化して静かで、異常時だけうるさいほど警報音鳴らして異常を促す機能だと思ってください。
感覚異常=体内外の異常を知らせるセンサー
身体の表現としては、違和感が自覚できる段階
感覚異常の種類は、
頭部に集中している「特殊感覚」と「平衡感覚」。
体表にある「皮膚感覚」。内蔵の不調を知らせる「内臓感覚」。
四肢の筋肉や関節の歪みを知らせる「固有感覚」があります。
まとめると
特殊感覚は・・・嗅覚・味覚・視覚・聴覚・平衡感覚の5つ。
皮膚感覚は・・・触覚・温度覚・痛覚・固有感覚の4つ。
内臓感覚は・・・内蔵の状態を知らせる感覚。
となります。
本当に、身体のありとあらゆる箇所にセンサーってありますね。
機能異常
感覚異常が慢性化し長期にいたると次に「機能異常」が現れます。
「動悸がする。血圧が高い。食欲がない。眠れない。下痢や便秘を繰り返す。生理不順。尿が出ない、多い。手が上がらない。膝や腰の痛みが続くなど」の周期的なまた長期にわたる異常が現れます。
身体は様々なシステムが統合されて生命を維持しています。各システムとは、神経系・内分泌系・循環器系・消化器系・泌尿器系・生殖器系・運動器系などがあります。
その一つまたは複数のシステムが異常を起こすと生体バランスが崩れてきます。
異常を知覚した体は「恒常性の維持=ホメオシタシス」を保つために再調整を行うように指令を出しますが、異常の原因が改善・除去が出来ない状態が続くと、神経や内分泌、内蔵の異常が定置化されます。
機能異常=継続するシステム障害の現れ・病気の前段階
身体の表現としては、身体の各部分の働きが悪くなり、検査で異常が出始める段階
この状態になると定期検診や血液検査で異常値が検出され始めます。まさに病気の前兆としてのサインといえます。
恒常性の維持=ホメオシタシスとは?
恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。生体恒常性とも言われる。
恒常性の保たれる範囲は体温や血圧、体液の浸透圧やpHなどをはじめ病原微生物やウイルスといった異物(非自己)の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。
器質破壊
身体の歪みを取り除き、バランスを正常化しようとする恒常性の維持が乱される機能異常の期間が長くなると、臓器レベルで本格的な故障が起きてきます。
この状態では細胞レベルで炎症が起きたり、逆に硬化したりして最後には器質破壊である「細胞死」を招きます。
また新生物や癌が出来るのも、この段階です。完全に慢性的な病名を告知されます
器質破壊=内・外部の構造に異常がおき恒常性が維持できない段階
身体の表現としては、生活の質(QOL)の大幅な低下。検査で病名が下される段階。限定された生。
2種類の細胞死とは?
アポトーシス(細胞の自然死)
あらかじめプログラムされた細胞死であり、自発的な細胞死。DNAが断片化する。
染色体が放射線などで損傷を受け、損傷を受けた染色体は自ら修復しようとするが、回復の見込みが無いときにアポトーシスが起きる。一瞬で死ぬのは・・・「壊死」
核が大きくなって分断化、ミトコンドリアに変化は無く急に小さくなる→細胞がいくつもの断片に分かれる。(アポトーシス小体)ネクローシス(細胞の事故死)
炎症時に見られる大規模な細胞死。核は変化少ない、ミトコンドリアが崩壊する。
徐々に大きく膨らみ→細胞の内容物が流出する。
まとめると下記の図のようになります。
このような段階を進んで「病気」になっていきます。